ABOUT CARE 心房細動
心房細動は心房が細かく動く(小刻みに震える状態)になる不整脈です。動悸や、胸部不快感、運動能力の低下が自覚症状として出現することがあります。放置することで脳梗塞や心不全を招くことがあります。
心房細動の診断方法は?
心電図検査で心房細動の波形が見つかればすぐに診断することができます。しかし、心電図検査時に心房細動がでていなければ診断ができないため、確定診断が難しい場合があります。
当院では1週間心電図を計測できるeclatやHeatnoteを使用して、診断率の向上に努めています。
心房細動の治療は?
心房細動の治療は大きく3つに分かれます。
- 心房細動の症状を抑える/発作頻度を減らす治療
- 心房細動の合併症を予防する治療
- 心房細動の根治を目指す治療
心房細動の症状を抑える/発作頻度を減らす治療
心房細動の症状を抑える/発作頻度を減らす治療には薬物療法があります。発作時の心拍数をコントロールする薬剤としてβ遮断薬(ビソプロロールなど)やCa拮抗薬(ベラパミルなど)を使用して治療をします。また抗不整脈薬などで心房細動の発作頻度自体を減らす方法もあります。
心房細動の合併症を予防する治療
心房細動が原因となる合併症で一番問題となるものは塞栓症です。塞栓症は心房の中で発生した血栓が血流に乗って他の臓器に飛んでいき詰まってしまう状態で、脳に飛んだ場合には脳梗塞、腎臓に飛んだ場合には腎梗塞などを生じ、各臓器に障害を起こします。脳梗塞発症リスクは、CHADS2 スコア、CHA2DS2-VAScスコア、HELT-E2S2スコアなどがあり、これらリスクの評価を元に、経口抗凝固薬による薬物療法を行います。
他の合併症としては、心房細動が生じることで心機能低下をきたし、心不全を引き起こすことがあります。心不全の予防については、上記の発作時の心拍数をコントロールする薬剤などを中心に、心不全治療を行っていきます。
心房細動の根治を目指す治療
心房細動の原因の多くは異常な電気信号が肺静脈で発生し、左心房が異常興奮をきたすことがきっかけです。この異常な電気信号を遮断する方法として、心筋をカテーテルで焼灼する血管内治療(カテーテルアブレーション)があります。治療適応のある方は当院から治療可能な近隣病院へご紹介しています。