ABOUT CARE 性感染症
性感染症とは
性病とは、性行為によって感染する病気の総称です。原因となる細菌やウイルス、原虫が体内に侵入することで感染します。当院の受診が比較的多い性病に関して特徴を記載します。
性器クラミジア感染症
本疾患はわが国で最も多い性感染症です。潜伏期間は3週間です。
クラミジア感染症は無症状や苦痛が淋病など他の性病に比べると軽いために治療せずに放置する者もいるが、男女とも不妊の原因となるため注意を要します。男性は排尿痛や膿又は尿道分泌液、女性は子宮頸管炎、子宮内膜症の原因となります。
淋病
淋菌(Neisseria gonorrhoeae)が感染したときに生じる尿道炎や子宮頸管炎などの総称です。わが国で2番目に多い性感染症です。潜伏期間は2日~9日です。
尿道炎では症状が強く現れます。子宮頸管炎は症状がないことも多いですが、不妊の原因にもなるため注意が必要です。
梅毒
梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌による性感染症です。病名は症状としてみられることがある赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来します。主に性行為によって感染し、オーラルセックスやキスでも感染する場合があります。潜伏期間は3週間です。
- 第1期:感染後数週間 性器や肛門、口などに赤くて硬いしこりや潰瘍ができる また、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節腫脹が出現することがあります。痛みを伴わないことが多く、症状は治療をしなくても自然に軽快し、病気が自覚症状がないまま進行する場合もあります。
- 第2期:感染後数か月 梅毒トレポネーマが血液によって全身に運ばれ、バラ疹とよばれる淡い発疹が手や足、体に出現します。その他にも肝臓、腎臓など全身の臓器に様々な症状を呈することがあります。
- 顕性梅毒:感染後数年 感染後数年程度経過すると、ゴム腫と呼ばれる腫瘤が皮膚や筋肉、骨などに出現し、周囲の組織を破壊することがあります。また心血管梅毒では大動脈瘤が生じたり、神経梅毒では精神症状や認知機能の低下などを伴う進行麻痺、歩行障害などを伴う脊髄癆がみられることもあります。
性器カンジダ症
カンジダ菌を性器に保有していても、男性の場合症状の訴えは多くありません。しかし、包茎・糖尿病・ステロイド剤使用などの要因があると症状が出る傾向にあり、亀頭包皮炎を生じることがあります。
性器ヘルペスウイルス感染症
性器ヘルペスの原因は単純ヘルペスウイルス1型と2型です。およそ8割は2型が原因です。感染をすると、潜伏期 (2日~10日間) を経て、水疱を形成します。
いずれも完治が可能です。気になる症状や感染の心当たりがあれば、さらなる感染拡大を防ぐためにも早めに医療機関を受診するようにしましょう。