ABOUT CARE 白癬症(みずむし、いんきんたむし、など)
白癬症は真菌(カビ)による感染症の総称で、皮膚や爪、頭皮に感染することで発症します。かゆみや皮膚の赤み、皮むけ、爪の変色・変形などの症状が現れることがあります。感染を生じた部位で呼び名があり、足に起こった白癬症は「みずむし」、陰部に生じた場合には「いんきんたむし」などと呼ばれます。顕微鏡などで真菌の存在を証明することで診断し、抗真菌薬を外用や内服で治療を行います。
感染する箇所により5つに分類されます。
- 足白癬(みずむし):大人に多く、足指の間にできることが多い。
- 爪白癬(爪みずむし):爪に感染した状態。足の爪に多い、薬を塗って足の爪が生えてくるのを待つ必要があり、治療期間が年単位になることもある。
- 股部白癬(いんきんたむし):陰部周囲の感染。
- 体部白癬(たむし):上記以外の部分の感染。
- 頭部白癬(しらくも):乳児や幼児に多く、頭皮の感染。
検査(KOH検査)について
KOH(ケーオーエイチ)検査とは?
KOH検査は、白癬菌などの真菌感染を調べるための顕微鏡検査です。皮膚や爪などの検体を採取し、水酸化カリウム(KOH)という薬品で処理してから顕微鏡で観察することで、真菌の有無を確認します。
この検査は以下のような特徴があります:
- 短時間で結果がわかる(通常は数分〜10分程度)
- 痛みを伴わない
- 真菌感染かどうかの判断に有効
検査の流れ
- 感染が疑われる部位(足、爪、体、頭皮など)から角質や爪片を採取します。
- KOHで処理した検体を顕微鏡で観察します。
- 医師が結果を説明し、必要に応じて治療を開始します。
なぜKOH検査が大切なのか?
かゆみや皮膚の変化があっても、すべてが白癬とは限りません。湿疹や乾癬(かんせん)など、他の皮膚疾患と区別するためにも、KOH検査で原因を正しく見極めることが大切です。正確な診断が、適切な治療への第一歩となります。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。皮膚のトラブルは、早期の診断と治療が重要です。過去に別の疾患で処方されたステロイド軟膏を塗布して来院される方がしばしばおられます。ステロイド剤を白癬症に使用すると、白癬症は増悪します。また自己診断をして市販のみずむしの薬を使用してから来院されると、顕微鏡での白癬症の診断がしづらくなるため注意が必要です。
文責 皮膚科・泌尿器科 小西平
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