ABOUT CARE 蕁麻疹
突然の皮膚の痒みや腫れ、発疹を伴う急性皮膚炎が蕁麻疹(じんましん)です。赤く膨隆した病変ができ、掻痒を伴います。 通常一つ一つの病変は24時間以内に消退しますが、消退しては出現しを繰り返し持続して症状が続く(慢性化する)こともあります。
蕁麻疹の名前の由来は? 蕁・麻疹? 蕁麻・疹?
蕁麻疹は、知らない方がおられないくらい良く耳にする病名ですね。でも蕁・麻疹なのか、蕁麻・疹なのか考えたことはありますか?どちらなのでしょうか。
蕁麻疹の由来は「イラクサ」という植物の中国名である「蕁麻」からきており、イラクサのトゲに触れると皮膚に痒みや腫れを引き起こし、蕁麻疹の症状に似ていることから「蕁麻の発疹」として「蕁麻疹」となったようで、蕁麻・疹が正解です。
蕁麻疹の原因は?
蕁麻疹には様々な原因があり、原因不明の場合もしばしばあります。以下に主な原因を記載します。
- 食品:アレルギー性と非アレルギー性があり、アレルギー性蕁麻疹はソバ、果物、甲殻類などが原因になることがあります。当院では必要に応じてView39という採血によるアレルギー検査を行うことができます。検査費用は3割負担で4,850円程度(別途診察料など要)です。肉類や魚などによる蕁麻疹は、アレルギー性と非アレルギー性のものがあります。
- 食品添加物:食品添加物(着色料、防腐剤など)が原因になることもあります。
- 物理刺激:物理性蕁麻疹といい、機械的擦過や圧迫、寒冷、温熱、花粉や動物の毛、日光、振動などがあります。
- ストレス・疲労・睡眠不足
- 全身疾患、感染症:細菌やウイルス感染などが原因となっていることがあります。全身疾患である膠原病や血管炎などの症状の一部として蕁麻疹が出る場合もあります。この場合は上記原因と違い、倦怠感や発熱など随伴症状があることがしばしばあります。
上記刺激物に対して免疫応答が過剰に生じ「ヒスタミン」などの物質が体内で放出され、皮膚の血管拡張を起こします。結果、血管と組織のやり取りが異常な状態となり(血管透過性の亢進)、皮膚の周囲の組織に腫れや赤み、かゆみを引き起こします。
治療は原因の除去とヒスタミンを抑える薬剤などの使用です。
- 抗ヒスタミン薬:フェキソフェナジン塩酸塩(商品名:アレグラ)、エピナスチン塩酸塩(商品名:アレジオン)など
- 外用薬:痒みによる炎症や痒みを抑える、ステロイドホルモン含有の軟膏や抗ヒスタミン成分を含有する軟膏など
- 免疫抑制薬やステロイド薬:重症例に使用します。
痒い!でも当院診療時間でない。そんなときには下記の方法で初期対応を
- 患部を触らない
- 患部を冷やす:寒冷刺激による蕁麻疹は除く
- 安静にする
- 入浴を控える
- OTC医薬品(薬局購入医薬品)を使用:アレグラなど花粉症の薬はじんましんにも効果がありますので、手に入るようなら内服してください。
もし、痒みとともに息苦しさを覚えた場合には救急受診をしてください。痒みのみであれば上記対応をして翌日当院外来診察でも問題ありません。